世事多事:ウイグル民族問題
Twitterのpostから+アルファ。備忘録的に。
そもそもこのpostがどのような話題の中で生まれたのか分からないのですが、個人的に気になったので自分なりの考えを3postしてみました。その3postに付け足し等してこちらに再掲です。
まずは元になった、渡辺輝人氏(@nabeteru1Q78)の該当postを引用します。
渡辺輝人 on Twitter: "思想的にネット右翼でも良いから、「ウイグルがー」を言う人には、さすがに我が国がウイグル難民を受け入れる度量は持っていて欲しい。"
自分が今朝方した3postに付け足し等したのがこちら。
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ウイグル民族問題についてのpostを散見した。
渡辺氏がおっしゃる「我が国がウイグル難民を受け入れる度量は持っていて欲しい。」の難民受け入れ規模は果たして何人位の受け入れを想定しているのだろうか。10人20人受け入れて「はい。お終い」だと考えているのだろうか。
◆世界最大ロヒンギャ難民キャンプで感染者 「何千人も死ぬ恐れも」 - BBCニュース(2020年5月15日)
https://www.bbc.com/japanese/52671894
こちらの記事では「同国コックスバザールの難民キャンプで新型ウイルス感染者が確認されたのはこれが初めて。このキャンプには約100万人のロヒンギャが暮らしている。」という。
Wikipediaの「日本の市の人口順位」によれば、宮城県仙台市が約108万人(2021年1月1日 )千葉県千葉市が約97万人(2021年1月1日)。政令指定都市の人口と同じほどの規模になる。
同じくWikipediaの「新疆ウイグル自治区:住民構成表」ではウイグル人は約834万人。この834万人の中でどれ位の人々が難民となることが出来るか不明だが。
仮に万単位とする。どの都道府県のどの自治体に難民キャンプを置くのか。維持費はどこから捻出するのか。人員、特に通訳と医療スタッフはどこから募るのか。日本だけでは賄いきれないとなれば、国連各国、少なくとも欧米諸国から資金、物資、人員の支援を取り付ける事が出来るのだろうか。そして日本で生まれた2世、3世の「人生のロードマップ」は? 教育の内容は? 就職等は?
────現在世界中の国々がCOVID-19対策で予算を始め色々と余裕が無い中で。
別の視点から見る。
◆米国務長官、中国はウイグル族を「集団虐殺」と非難 - BBCニュース (2021年1月20日)
https://www.bbc.com/japanese/55729880
記事より。「アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は19日、中国がウイグル族など主にイスラム教徒を抑圧する中で、ジェノサイド(集団虐殺)を犯したとする声明を発表した。」
「ポンペオ氏の声明に同意するか問われると、(朝霞注:バイデン氏に国務長官に指名された)ブリンケン氏は「私の判断もそうなる」と答えた。」
「トランプ政権は先週、新疆ウイグル自治区からの、綿花やトマトを使った製品の輸入を禁止した。同自治区では世界の綿花の20%近くが生産されていると、アメリカは推定している」
◆中国、ポンペオ前国務長官ら米国人28人に制裁 入国禁止 | ロイター (2021/01/20 )
https://jp.reuters.com/article/china-usa-sanctions-idJPKBN29P2JT
記事の中で「中国外務省は21日、中国の内政に干渉したとして、ポンペオ前国務長官を含む28人の米国人に制裁措置を導入したと発表した。」とある。
アメリカでさえ、ここまでなのだ。勿論、バイデン新政権がウイグル族問題について今後どのような動きを見せるかまだハッキリとした所は自分には分からないが。
そういう訳で自分は以下のように思う。国際世論に訴求しても、「国連安保理常任理事国」の中に中華人民共和国がある限り、勝てないと自分は深く思う。それに……国連憲章の敵国条項もある。
「遺憾砲」とネットでよく言われるが、「遺憾砲」しか出せないのは、この敵国条項の中で「本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される」という「枷」が第二次世界大戦が終結して以来今も日本国についているらかではと個人的に思っている。
敵国条項が消えない限り、地球の歴史における第二次世界大戦、その「戦後」は終わっていないのではと同時に自分は思う。
そして中華人民共和国がその条項の撤廃に票を入れるとは自分には思えないのだ……
清の時代の終わり。「眠れる獅子」と呼ばれていたが、欧州列強や日本帝国に腹肉を食いちぎられ、爪や牙を大砲で吹き飛ばされた。清が滅び中華民国が樹立、そして国共内戦が終わり中華人民共和国の時代になっても、「中華の獅子」はあの時の痛みと屈辱を忘れていないのではと思う。二度と自国の領土と自国の方針を他国に踏みつけられぬぞ、と。それどころか、今度は自分達が他国の腹肉を食いちぎる番だと牙と爪を磨く事に暇が無いように思う。
話は少し変わる。
自分は小学生の頃から変わり者でイジメられる事が多かった。休み時間に1人でフラッと校舎外に出てひなたぼっこをしたり、図書館で図版棚の間に潜り込んだりしていた。
流浪。
身の置き所がなかった日々。
その後、30代過ぎに母が病没し遺産を巡り兄弟と骨肉の争いになる。実家は処分され消えた。遺品はわずかばかり。
そして地元を離れていつのまにか20年以上経ってしまった。
難民の方々の苦しみは自分の苦しみなど足元には及ばないと分かっている。しかし、自分の苦しみ……自分に刻まれた悲しみと怒りを思い、それ以上のものだと想像する事はできる。
だから、住み慣れた土地を追われ、それどころか先祖から受け継いだ生活習慣や宗教、思想までも奪われることは、生きながら四肢をねじ切られる古い刑罰を受けていると同じではないかと憤りもする。
そして、その苦しみに嘆く方々によりそい、手を握るだけでもと思いもする。
そう。自分も「善き人」でありたいと願う。傷ついた人をいたわることが出来る人に。
しかし、国家間の問題は市井の一市民レベルではどうにもならないのだ。
動く金が、人の量が、モノの量が違う。最悪、兵器が顔を出しかねない。
しかも相手、つまり中華人民共和国は日本国のような他国から見れば「お気楽イデオロギー」の国とは違う。全く違う。
それゆえ、中華人民共和国に関する諸問題は素人の市民による「蟻の一穴」で打破できるほど緩い話ではないと同時に思う。
「人権キャラ、という表現(https://kaoru-a-03.hatenablog.com/archive/2021/01/04)」で「お気持ち案件」について少し触れた。
渡辺輝人氏が「お気持ち」として「多くの人々にウイグル族の人々の現状を知って欲しいし、何か出来る事があればしてほしい」というような感じのpostをしたのであれば「ああ、渡辺氏も困窮している労働者同様、困窮している難民を政府や国連が何とかしてあげてほしいよねって思ってるんだなぁ」とナルホドワカルネ、と頷いて終わっただろう。
しかしそういう流れに感じられない。
別のpostで渡辺氏は杉原千畝氏の名前を出しているが、杉原千畝氏は「ソ連横断の日数を二〇日、日本滞在三〇日、計五〇日」(Wikipedia:杉原千畝:「命のビザ」)と当初算出した通行査証を出されたのであり、日本にユダヤ難民キャンプを作る為に動かれたのではない。
Twitterでアッ、シマッタ! と思って慌てて削除ボタンを押した事は何度もある。大抵は用語の間違いなどだ。
自分が草の根パソコン通信を始めその後インターネットに接続し始めたた25年以上前はもっとひどかった。あのころはカチンときたら即、腕まくりをして相手を単語の羅列でねじ伏せてやらァ! などと気炎を吐いていた時もあった。それでモメて思いっきり周囲から叩かれ、何度しょげ返ったか。
その後、ある意味「お気持ち」というか「~だと自分は思う」「個人的に○○ではなかろうか」という、個人的な意見の表明や断定しない言い方に変えてゆき、トラブルを避けるようになっていった。
────ぶっちゃければ、トラブル対応に時間を使うよりも、ゲームしたりコミックや本を読んだり、寝転ぶ方が有意義だと自分は思うから。誰かをねじ伏せ、そしてネット上で自分の知名度が上昇するのは楽しく、満足度が高いかと予想する。だが、その為に心から血を流し、脳をグルグル回転させ、誰かの意見を踏みつけるのは……今の自分はやりたくない。それが自分の「お気持ち」だ。
話を戻すが、ウイグル族問題に限らず他の難民問題も国家間のことなので一市民にはどうにもならない問題だと思う。
ただただ、局地的であっても武力衝突を起こさず、世界の難民問題が解決していきますようにと祈るしか……自分には出来ない。
何度も書いたけれど今回も書く。
「全ての人を救う事は出来ない。全ての人が幸せになることもない。だが、一人でも多く救われ、幸せになるようにと自分は今日も祈る」