小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

高橋幸宏さんの訃報。モーニングワーク。

 高橋幸宏さんの訃報を知って1日以上過ぎました。 
 高橋幸宏さん……幸ちゃんは家族親族友人知人ではありませんが、10代の頃からずーっと追いかけています。
 だから喪失の悲しみが大きいのは自然の事だと感じています。
 そしてモーニングワーク(喪の作業)を意識しなきゃねと感じています。

 1月15日の夜明け前からかなり泣きました。50代になってから段々両親の喪失を思い返して泣く事はなくなっていったのですが、久々に喪失の悲しみで泣きました。
 泣くことは悪い事ではないと自分は思っています。泣いたり、悲しみについて話したり書いたりする事で、心の中に生まれた「悲しみの氷塊」を少しずつ削り、外へ出していく……氷塊を小さくしていけると思うのです。
 自分は悲しみの氷塊を小さくする作業がうまくできず悩んだ時期がありました。今でも時々作業が出来ない時があります。
 静かにポロポロ涙がこぼれることはしょっちゅうあります。でも号泣して感情をばーっと外に出すという事が出来ないので、悲しみや辛さがドロドロと心の中に滞留し、重荷になっていました。 
 でも、1月15日にあれほど号泣できたのは、昨年転院した精神科での治療が上手くいっているからなのではと今思います。
 
 まだ、手足の力が抜けている感覚がありますが、味わうとか楽しむ事はさておき水分や食事は摂れているので大丈夫。睡眠はいつも不安定なのですが、まあ大丈夫だと思います。
 
 訃報を知ってしばらくは、小料理屋さつきのまかない飯に書いたように、Saravah! Saravah!を聞いたりTwitterのタグで色々な方のpostを見て、添えられた動画を見たりしていましたが、今は何も曲をかけず静かにしています。
 けど……だらだらネットサーフしてちゃダメだな、本を読もうと感じ、手に取ったのがエルヴェ・ギベール「憐れみの処方箋」です。https://www.amazon.co.jp/dp/408773160X/
 「ぼくの命を救ってくれなかった友へ」の続編であるこの本は、エルヴェの体調がかなり厳しい状態にある所から始まります。そこを読んでふと「ああ、幸ちゃんももしかしてこのような感じで身体が辛くて……」とか感じ、モーニングワークの一つに出会ったような気持ちになりました。
 
 自分は今年で55歳。これから、幸ちゃんだけでなく、憧れているアーティストから身近な人まで見送る事が増えると思います。
 幸ちゃんからの最後のPresentは「上手に泣いて、ゆるやかに悲しんでいく」事かもとぼんやり思っています。
 ありがとう幸ちゃん。これからも幸ちゃんの音楽を聴いて、贈り物を大事にしていきます。