小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

世事多事:国際大会でチャイニーズタイペイの旗ではなく中華民国国旗を掲揚出来る日を願う。

 台湾で学生達がデカいことをやっちまった。「台湾で学生らが立法院を占拠、TPP交渉進める日本に影響あるか?(東京ブレイキングニュース・旧:日刊ナックルズ)」を見ると、どーやら馬総統や政府上部が内容をおおやけにしないまま「両岸サービス貿易協定」について中国側と協議して締結しちゃったらしい。その内容について明らかになったため一気に学生を含む市民、特に中国に歩み寄ることをよしとしない人達が立ち上がった訳だ。詳細は記事で。
 さて、気になる話が。2chの東アジアニュース+板の「【台湾】 「中台協定」反対の学生らが議場占拠 台湾 「産業切り捨てにつながる」[03/19] 」のスレにあった話だが……2chのスレの事なので真贋は分からないが、下記のような事が起きると独立派にとっては恐ろしい事になると自分は思う。

(スレ番52より抜粋)
今回の法案の問題點を以下に挙げます。
まずは中國からの移民が容易になること。
中國人が台灣で起業したい場合、600萬台灣ドルを銀行に提出すれば3年間の居住が可能になり、
ビザの更新は無期限ということなので実質永住が可能となります。
もし中國人がレストランを台灣でオープンしたい場合は父親がオーナー、母親がシェフ、
子供が會計という立場で申請すれば家族揃っての台灣移住が可能です。

 先に挙げた東ブレのニュースによれば、自営業だけでなく中小企業にかなりのダメージが来るのではとの予想がある。そして、台湾に浸透した大陸民が「軒を貸して母屋を取られる」ということわざにあるようなことをしでかさないか、という不安もあるのでは。

 兎に角、中国というか中華人民共和国がデカイ顔をするのが困る。五胡十六国じゃあないけれど、兎に角、国が分裂するのを怖れて、様々なバックボーンを持つゆえ漢民族中心の動きから独立を望む存在を棒でしばき、縄で自分達の土台にくくり付けようとしているのが自分にはどうも気に入らない。
 確かに日本だって古来より一つの国ではなかった。「平定」という経緯があって今の日本の基礎が出来たのだ。その後徳川がとりあえず落ち着かせ、明治維新を経て西南戦争等を終わらせた後やっとこ安定したと言うところだろう。それと、平定があったり婚姻などの交流の繰り返しの歴史を重ねた現在でも日本は複数民族国家であると自分は考える。
 第二次大戦後、運が悪ければ連合国で分割統治されていた可能性だってあったが、米国が強固に単独で占領することを主張したのが幸いした。その占領が終わった後も、ナンダカンダともめはしたが「とりあえず」日本国として一本立ちしていると思う。今のところ内部独立の気配はほぼ無いだろう。
 だが、台湾、いや、中華民国にとって悲しいことは、米国が日本の占領統治に注力したために中国大陸でのゴタゴタにしっかりと目を向けることが無かった(出来なかった? それとも軽視していた?)ことだろう。毛沢東がマイクの前に立った後で、米国は「大変な事になってしまった」と大後悔することになったと思うが……遅すぎた。また、台湾の帰属についてサンフランシスコ講和条約前にしっかりとした協議がなされず、なんらかの形で明記されたなかったことだろう。他にも、台湾現地の人(本省人)と、中華民国政府と、それとともにやってきた人達(外省人)との間に起きた悲しい話もある。詳しいことは調べていないので分からないが、今でも、日本に於ける「関東と関西のいがみあい」みたいなものはあるのではないだろうか。
 そんな経緯がぐだぐだと続き、台湾の選手がオリンピックなどの国際大会に出る時、中華民国の国旗を掲揚することは出来ない。しかも、チャイニーズタイペイという呼ばれ方をする。リパブリック・オブ・チャイナと呼ばれないし言えないのだ。辛いことだろうと自分は思う。
 中華人民共和国が国連でデッカイ一票を持ち、世界各地でデッカイ顔をしてるから、多くの国はおおっぴらに中華民国を支援出来ない。今回の学生を始めとした行動も、大きく報道されることは無いのではと思う。特にクリミア問題が現在大問題になっているので世界の目がそちらに向いているのもある。中華人民共和国的には願ったり叶ったりなのだろうが。CNN.comのアジアニュースを見ると、マレーシア機事故のニュースがトップになっている。一応、「Taiwan protesters' ultimatum passes without government response - CNN.com」という形で報道はあるが。だが、一番ヒートしているのは、ニコ生のロングラン生中継だろう。「台湾立法院(国会)を学生らが占拠 生中継 - 2014/03/19 21:00開始 - ニコニコ生放送」いつまで続くか分からないが、これをピックしたのは凄いと思うし、何か動きがあれば「歴史の目撃者」になる事が出来る可能性もあるのだ。昨日の夕方、ちょっとした動きがあると「ほえほえくまー!」という弾幕が流れたが、どうやら、この一件の目的である「退回服貿」、つまり、サービス貿易取り決めを撤回せよ! というシュプレヒコールの空耳ワードらしい。詳細はこちら。「ほえほえくまーとは (ホエホエクマーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科」
 こうやって軽くウィキペディアなど検索して読んだだけでも、サンフランシスコ講和条約で漏れている件が後世大きな問題になってしまったことが悔やまれる。朝鮮戦争によって第二次大戦の戦勝国全てがサンフランシスコ講和会議のテーブルに付くことができなかったせいだが。全く……なんともかんとも。
 さておき、学生を始めとした人々の行動が、台湾、いや中華民国について世界の人々の耳目を集めるきっかけになって欲しいと願っている。個人的には、何とかして中華人民共和国アゴにアッパーカットを一発キメてもらい、国際大会の時に「リパブリック・オブ・チャイナ」と呼ばれ、中華民国国旗を掲揚できる日が来て欲しいと思っている。