◆厚生労働省の電話相談窓口案内URL
電話相談窓口|困った時の相談方法・窓口|まもろうよ こころ|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/
朝方にTwitterで「#国は安楽死を認めてください」というタグを見つけ読んでみると、21世紀に入ってからの市民生活に関する諸問題──毒家族や周囲からのハラスメント、生活費困窮、子供達の保護と教育、高齢になってからの生活不安定や孤独死などからの逃亡先として「自死」を願う人の声があると感じた。
20世紀までは社会に向けて発信しにくかった「個」の問題がインターネットの普及によって、特にスマホの普及によって発信出来るようになり、時折こういうタグによって一斉に発信されるように思う。まるで大潮のように定期的にワッと起きると感じる。
自分は精神病や精神障害を抱えており、30代から少しずつ福祉支援を受けてきている。詳しい内容については自分のプライバシー詳細非開示主義なので書かないが、福祉支援制度に深く感謝している。制度だけでなく多くの、とてもとても多くの方々にも。
以前からネットで「福祉に頼りたい時は、辛い人自身が、サメのように貪欲に自分を支援してくれる福祉支援窓口を探し、たらい回しにされてもメゲず、かじりつき、書類申請し、面談を重ねて受理されるまで粘らなければならない」と書いている。それは自分が身をもって感じた経験からの事だ。
30代の時に障害年金受給を考えて当時の担当医に相談したが、甘っちょろいことを考えるなと一蹴された。その後しばらく諦めて暮らしていたがどうにもならなくなり、その時お世話になっていた担当医が社会福祉協議会(以下、社福協)の方を紹介して下さった。それが最初の福祉支援との本格的な「繋がり」だ。
それまでは障害者手帳や自立支援制度(精神科の医療減額)だけだったが、社福協の担当者から「いつでも相談に来て下さい」と温かい言葉を頂いた。障害年金の受給を勧められ、担当医も同意して下さり手続きを始めた。
離婚して大阪に来た後、独居が続いた先の事に不安を覚え、また引きこもりも酷くなった為に何かサポートしてもらえる所はないだろうかと思い、区の福祉課や社福協に相談した。そこからあちこち相談に行き、現在は外出支援や定期的な相談支援を受けている。
自分は精神障害者という前提があったために福祉支援との「繋がり」を若い内に受ける事が出来た。
しかし、障害者や難病患者、被介護者ではないまあまあ健康な方であれば、育児関係以外で福祉課窓口に行くことはあまりないと思う。自治体広報誌や自治体HPを見る事も同様だと思う。
そうなると何度も自治体窓口を回る気力がある間に福祉制度の「繋がり」を作る事ができないケースが多いのではないだろうか。また、自分が福祉支援対象ではないから窓口に行くだけ無駄だと勝手に思い込んでいたり、「福祉の世話になるのはまっぴらだ! 恥ずかしい事だ!」と思ってる方もいるだろう。
上記の方々が福祉支援の「繋がり」を得る機会は本当ににっちもさっちも行かなくなってからかもと想像する。被支援者本人の心の準備が出来ないまま、いきなり知らない人達が色々訪問してあれこれ質問して混乱したり、自分のものを勝手に触らないでとパニックになるケースもあるのではないだろうか。
「福祉は市民ひとりひとりの直ぐ隣にある」という事を元気なうちから認識し、福祉行政や支援内容についてアンテナをピンと立て、自治体の広報誌は1部だけでも部屋に確保し、困った事があったら相談会がないか見てみるなどして欲しいと個人的に思う。法律や福祉、悩み事相談など様々な相談会を各自治体が開催している。月ごとに違ったりするが、広報誌が1部あればおおまかな感じと申し込み窓口の電話番号等書いてあるので参考になる。
今回特に強調したい事は未成年者への福祉支援だ。
未成年者が自治体窓口で福祉支援を求める事が現状では難しいと個人的に思っている。
毒家族から逃亡したい、いじめ環境から離れたいと願っても保護者監督下にあるため逃れられない、苦しい、助けてという声を行政がもっと受け止めて欲しいと願う。
28日にこちらの記事を見た。
◆怠けているように見える生活保護受給者は「虐待サバイバー」かもしれない|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/01/post-100720_1.php
この記事の中で、小学5年生の時に児童養護施設に入所した人の話があった。
以前も児童養護施設の記事を読んだことがあったが、公共機関の利用方法など日常の雑事について教えてもらえる機会が少なく、退所した後いきなり社会の喧噪に放置されるような感じで戸惑い、アフターフォローを受けることが出来ず困窮しているという話を読んだ事があった。この記事でも類似した話があった。
未成年の間に福祉支援を受けても支援が終了して社会に出る迄に「生きていく為の土台」となる知識などを受ける事ができなければ衣食住に困らず精神的に安定した日々を送る事が出来ないと自分は思う。
「年齢性別問わず国民の衣食住が安定して維持される状態に」。これが福祉だと個人的に思う。
自分は福祉支援を受けることで衣食住が安定し療養の日々を送る事が出来ている。障害年金受給、つまり収入維持だけでは安定しないと思う。福祉スタッフの方々が介助や訪問面談、メールや電話での相談にのってくださるおかげで自分の療養生活が成立している。このことを深く深く感謝している。
一定期間(1年間~数年間)毎に継続の為の書類申請手続き等しなくてはならないが、受理されればこれからも、つまり、年齢等の制限なく続くと思う。
福祉と「繋がる」ことが出来て本当に良かったと思っている。そして福祉と繋がる事が可能なのは自分だけではない。現在様々な悩みに向けた相談窓口がある。窓口面談や電話だけでなくメールを受け付けてくれる所もある。悩んでいる方は上の厚生労働省のHPを見たりWEB検索して相談して欲しいと自分は思う。自分が以前お世話になった担当者は「生活に困ったら、どの支援を受けるかどうかは後の話だから、とにかく悩み事を話しに来て」とおっしゃっている。時折メディアで相談窓口で冷たい対応をされて辛かったといった悲しい話題があがるが、相談窓口の方々全てが相談者を蹴落とすような方では無いと自分の経験から伝えたい。
児童養護施設の所で触れた「生きていく為の土台となる知識と知恵」をプライバシーを保ちつつ様々な資格を持つ複数人のスタッフ含めて共同生活を送りながら学べる福祉集合住宅があればいいのにと思う。学生寮に近い形の集合住宅だろうか。
社会で生きる為の知識や知恵は沢山ある。食材や着衣をどう選ぶかといった買い物方法から料理と片付け。洗濯や掃除、ゴミの分別。生活に必要な物品と不要物品の仕分けと粗大ゴミの出し方。電気代や健康保険、税金など公共料金の支払いや契約についての知識。急病時入院費や家具の買い換えなど高額出費の為の資金貯蓄。高額商品を購入する時に必要な知識。役所や図書館や公共交通機関の利用方法。病院の利用や心身の悩みの相談窓口、盗難や詐欺の被害など犯罪被害に合わないための防犯知識……書いていたらきりがない。
スタッフとの暮らしでそういう知識等を学びつつ、職業訓練をしながら高校や大学卒業資格取得が可能だとその住宅を離れた後の生活安定に繋がるだろう。
そして、できるだけ広範囲の年齢に門戸を開けて欲しいと思う。
例えば高校中退の30代の人が親の住む住宅からこちらに入居し高校と大学の卒業資格を働きながら取得したいとか、児童養護施設から転居した方が職業訓練校に通いつつ生活知識や資金という基盤を作り落ち着いたら独立、熟年離婚で独居不安の方が独居生活慣らしに、などなど。
家賃については既存の公営住宅や福祉目的住宅のように、収入等で賃貸等諸費用に公的援助が降りる仕組みであって欲しい。
最後に「悩み事相談電話番号カード」について書く。
大阪に来てから時折「あっ、あの人大丈夫かな……」という人を見かけている。だが今の時代、どうしたのだろうとジロジロ見るのは失礼だし、その方の状態によっては長々話しかけてはまずい状態もある。実際経験した。
ドナーカードのようなサイズで1枚ないしは折りたたみで、主な悩み事別に相談電話番号やHPのQRコードがあればいいなと思う。
個人で作るには流石に限界があり、なにより「公的機関が発行したもの」である事が重要だ。
長くなってきたので箇条書きでまとめてみる。
1)「年齢性別問わず国民の衣食住が安定して維持される状態」の重要性をもっと市民が認識して欲しいと願う。
2)福祉制度利用は恥ずかしい事ではない。衣食住を安定させるのは大切な事。
3)世帯内のハラスメントを受けている未成年が世帯から干渉されず安定した生活を送ることができる施設とその施設への入居手続きが「子供の手に届きやすい」ものになることを深く願う。
4)「生きていく土台」となる諸知識を学べる「生活安定集合住宅」というような制度を願う。
5)「悩み事があったらここに電話してねカード」のようなものを自治体が作成し、市民に複数枚配り、困っていそうな方を見かけたらカードを渡してあげるという仕組みを願う。
6)土日や夜間でも予約限定で福祉相談や書類受付をして欲しい。
久々に長い文章になった。
精神病患者、精神障害者として25年以上生きて、福祉に対する関心が深いために福祉について思う事もまた深い。ただ、福祉関係の資格を持っていない人間が書いているので間違いも多いと思う。その点については申し訳ない。
30代から被支援者の立場で色々blogやTwitterで書いてきた。これからも書いていくと思う。