小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

(新規購入編)

★エマ1〜4巻 森 薫著 / エマ ヴィクトリアンガイド 森 薫&村上リコ著 エンダーブレイン刊
 少し前によく読ませて頂いているサイトでこのコミックについて知り、作者の森さんのサイトにいって「くわッ!」となり、本屋に直行。でも4巻がなくてジタバタという状態。それにしても、細かいところまでよく描いてらっしゃるなぁとつくづく思います。いわゆる「萌えメイドさん」じゃなくて、本来のメイドを含めたヴィクトリア時代の日常をキャラクターを通じて描いてらっしゃいます。コマのひとつひとつに愛がいっぱい詰まってるなぁと感じさせられるコミックですね。そして「ヴィクトリアンガイド」は、作品をより深く楽しむための要素が沢山詰まっています。写真や映画というものが生まれ、よりリアルに時代の雰囲気が今でも分る時代、19世紀半ば〜20世紀初頭の私にとっての「ビューティフルエイジ」について、特に「メイド」って本当のところどういうもんなんだろう? という方にはもってこいの解説本ですね。

 ストーリー自体はゆるやかなお話で、しかも苦みがきつすぎない程度にトラブルが起きたりという感じです。いくつか伏線があるものの、まだまだ物語は始まったばかりというところで、これからどういうドラマが起きるのだろうとわくわくします。ガジェットもしっかりしているけれども、その上にキャラクターがすんなりと溶け込んでいて、しかも細かな言動などにも時代の雰囲気というものを出しているので、作者のかたはよほどこの時代をテーマにした資料や小説などを読みふけってらっしゃるなぁと思いました。本筋は二人の主人公のラブロマンスではありますが、ハーレクインのようなベッタリとした湿り気はあんまり感じないのがいいですね。
 アニメになるということで今後ニュータイプなどでも取り上げられるようになると思いますが、出来ればいいスタッフのかたが原作のゆったりとした雰囲気を壊さないように、コンテなどを慎重に作って頂きたいところ。
 作者の森 薫さんのサイトは色々と楽しいコンテンツがあってとってもオススメです。
 ちなみに話がかなりそれますが、今NHKでやっているアニメ「ポアロミス・マープル」。やはりNHKでやってた海外ドラマのポアロを見ているためにどうしても違和感を感じちゃいますね。しっかしまぁ、海外ドラマのポアロにしてもホームズにしてもあそこまで緻密に当時を再現できちゃうっていうのがスゴイです。ほんと。