小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

世事多事:彼ならもっとガガガッと描いただろう

 「東京新聞web:「明日の神話」にいたずら 故岡本太郎氏の壁画」 ってことがありました。togetterでもまとめが出来てて賛否両論だけれど、自分的には「まあ、ええんちゃうかな?」ってとこ。
 それよりも、もし岡本太郎が生きてたら、隅に描き書き足したとしてもあんな感じにはならないと思うんですよ。原色をガシッとつかって、小さいスペースでも目をひくような感じに描いたのではと。
 確かに「あれは原爆を主題にした作品だから、岡本太郎が今回の福島原発のことを知ったら別の作品を作ったかも」という意見はうなずけますね。ただ、もし、あの作品の隅にという条件の中でやるなら、岡本太郎ならどうするか、というのを考えるのはすごく楽しいと思うんです。
 また、なんていうか、ハプニングアートとかイタズラアートとでも言えばいいのでしょうか、そういう視点から見れば、今回のこの騒動は面白かったと思います。しかも、比較的すみやかに撤去されたという所もポイント。つまり、パッと現れて、パッと消されてしまう。一夜の幻みたいな、目が覚めたら忘れてしまう夢みたいな。
 あと、ちゃんと元の作品に傷を付けない形で設置した所に、あのパーツを付け足した人が「有る程度分かってやっている」というのを感じますね。それもあって、今回の一件を自分は好意的に感じました。
 日本ではどうしても「ハプニング」っていう風潮が歓迎されない感じだと個人的に思いますし、確かに福島で苦しんでらっしゃる方にとっては噴飯やるかたない事件に取られても仕方がないと思います。そうであっても、やはりアートというのはどこか、そういう厳しい情勢、苦しい事態の中であってもアクティブな面を忘れないで欲しいと思うんですよね。