小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

WEBつれづれ:コレクター

 最近「人力検索はてな」で回答をしています。仕様がガラリとかわり、無料で質問ができるようになり、また、うごメモはてなというサービスではてなスターが使われるためか、子供達がポイントを欲しがるような書き込みが見られるので、一体どういうことだろうと思って質問してみました。それが「【小学生】子供達がはてなポイントを欲しがるのは何故?:人力検索はてな」です。
 実際どういう回答が寄せられたかはそちらのページを見て頂くとして、個人的な感想は「うーん、この状況を親御さん達は認識しているのだろうか?」と不安になりました。単なる評価ポイントではなく、Amazonポイントにほぼ等価交換できてしまうことをご存じかなと。ネット上の通貨にもなるものを必死になって追いかけていることが。それが良いか悪いか別として、子供達が使う金銭を管理しておきたい、インターネットを使って何をしているか監督しておきたいという親御さんは、こういう状況を把握しているのだろうかと。
 DSに向かって子供達があくせくしているのを「ああ、ゲームに夢中になっている」としか思っていなかったらちょっと怖いというのもありますね。
 アンケートサイト、ポイントサイトなど自分も利用しています。1年でちょっとしたモノが買える位のお小遣いは貯まります。とはいえ、ヤフオクの評価みたいに「こちらが評価したので自分のも評価おねがいします」のようなこととか、所有ポイントを競い合うという面は薄いと思うんですよね。あくまで広告なりアンケートなりをポチポチして貯めていくだけですから。でも、今回取り上げた、うごメモカラースターの話だと、株式会社はてなとユーザーとしての自分のやりとりのみではなく、ユーザー同士のやりとりですから。いわゆる「画面の向こうには生身の人間がいます」という、ネトゲのヘルプによくある話になっています。そして、先日、自分のものかどうか分かりませんが、うごメモの作品URLを書き込んで「これについてどう思いますか?」という質問が人力検索はてなに書き込まれました。なんていうか、子供達のはてなポイントを渇望する欲というか、それの大きさがね。大人と変わらない、というか、ストレートに表現するので、大人的思考で考えてはダメなんだ、ゲームしている時の考えでやらないとだめだな、と。
 ネトゲだと、一種の誇示……コレクションとして、キャラのステータスにプラスさせるため、中の人のプレーヤースキルや金銭(ネトゲ内もリアルでも)を誇示したいが為、レアアイテムを所有するのはよくあることですから。そして、大人の方が動かせる金額が万単位だったりするので、ガチャなどに10万近くつぎ込んだり、RMT取引でごっそりというのはあるでしょうし、欲が暴走した果てに、BOTを動かしたり、アカウントハックやラグナロクオンラインであったような運営スタッフまで巻き込んだ事件まで起こすという話もでてきます。
 「大人は自分で金を稼いだので、自分の責任でお金を動かす分には良い、子供は大人の金で遊ぶのでダメ」という考えは、ネトゲなど、相手の顔が見えないコミュニケーション手段では通用しづらい考えだと思っています。遊んでいるゲームは同じですから。
 パソ通時代、古くはアマチュア無線等でも、小学生だろうと年配者であろうと、問題は年齢でなく、文章なりコミュニケーションの内容だというのがありましたね。
 さて。
 インターネットで何が怖いかというと、現金取引であっても画面の文字で表示されると、現実感が薄らいでしまわないかということです。ヤクザ映画の賭場みたいに、札束ドーンドーン積み上げ、そして、目の前から札束を取られていくというのなら、実感があるかもしれませんが。
 今回の問題も、家ゲのゲームの通貨(ギルなりゴールドなり)のように、幾ら貯めた所で現金には繋がらないというであれば別ですが、実際にはAmazonポイントに交換出来てしまうし、それを目的に集めている、また、株式会社はてながポイントを販売しているという所、つまり現金が絡んできているというのを看過してはならないという所です。子供が、例え1円玉であっても、他の子供や大人とそれをやりとりしている現場を見れば普通の大人なら、「なんだなんだ?」となるのではと思います。例えば公園で賭けゲームをやってたりとか。でも、ゲームとかインターネット上だと現実感が薄れてしまってはいないかと。
 親御さんが「子供がやりとりしているのは現金だと分かって」おり、トラブルが起きないよう見守っているならよいのですが。例えば、評価強要をしたり、人気作品のパクリをして騙し取ろうとすることが無いようにチェックしているなどですね。また、これを機会に、ネット上で現金をやりとりする事で守らねばならないルールを教えていくなら良いのですが。
 なんていうか、自分の持つ器を越えて高望みすることを、自分はあまり良いとは思わないので、子供達がそういう風潮に踊らされてしまわないかと危惧するのです。本来なら、時給800円の仕事を子供に1時間体験してもらい、800円稼ぐためにどういう事をしなくてはならないのか、苦労や努力、工夫や反省を体験して欲しいと思いますね。手にもった800円を実感して欲しいと。
 大人も子供も、こころを持った人間という意味では変わらないと思うのです。その人間がコミュニケーションをしながらとりかわす様々なモノや気持ち、それらについて気を配ることの重要性、相手を不快にしないようルールを守ることなどなど……大人だろうが子供だろうが守らねばならぬことはあると思います。それについての教育は、現代情勢からすると20世紀以前とは異なり、小学生であっても学ばねばならないだろうと思うのです。
 たとえ画面に向かって、会話したり、ポイントを使ったりしてやりとりをしていても、それは現実世界でお店にはいって現金で買い物をしたり、クラスで友達と話し合ったりケンカしたり、泣いたりというのと変わらないんだよ、とね。
 今回のアンケート結果を、インターネットを使ったゲームをする子供達の親御さんに見て欲しいなぁと思いますね。ポイントという形をとった現金のやりとりで気をつけることや、個人情報等、秘密にしなければならない事の重要性等を含め、情報リテラシーの基礎を教えて上げて欲しいと思うのです。
 現実から浮遊した家ゲ感覚でインターネットでコミュニケーションすることは危険ということを、子供の頃から学んで欲しいと深く思うのです。
<追記>
 念のため。自分は、子供達がはてなポイントを所有することを否定はしていません。ですが、ユーザー同士のトラブルになったり、運営規約違反となるような行為をしないよう、親御さんが監督して欲しいと思うのです。
 また個人的に、「人力検索はてな」とは「自分が色々探しても分からなかった疑問を、その点について良く理解していたり、検索上手な人に自分の代わりに探し当ててもらいたい」という場であって、ポイントを欲しいために回答するという場ではないと思っており、大人だろうが子供だろうが、ポイントのために回答するというのはスタンスとして変じゃないかな? と疑問に思ったからです。また、回答者ランキングに入るために回答というのがあるなら、同じようにおかしいのでは? と感じます。
 出来れば、質問に答える形で自分も学んだり、相手に自分の持っている知識を明解に伝えるスキルをあげていく場であって欲しいと思っています。無論、笑点チックなユニーク質問などでトンチを競ったりというのもあってほしいですね。というか、今の仕様だと以前あったような回答を伏せてユニーク回答を募るといったことがやりづらいので、「トンチはてな」とでもいうようなものを作って欲しいと思います。需要あると思いますよ。