小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

凡桃俗李:生きていれば

 もうじき、東日本大震災から2年経つ。あの年、twitterの連携サービスか何かで、地震があった時にどんな書き込みをしていたかというのを見せてくれるのがあった。こんな時に引っ越しとかして良いのだろうか? とか書いていたように思う。
 あのとき、自分は離婚し、大阪へ転居の手続きをしていた。こんな時に引っ越しして良いのかと思いもした。その理由のひとつに、震災地から避難する人が転居するために引っ越し会社を使ったりするだろうし、そういう方を優先すべきかなと思ったのだ。他にも色々想うこともあった。

 阪神大震災の時のことを思い出す。震災前の神戸に少し寄り道したことがあって、その記憶がぼんやり残ってる。昨年、神戸に行く機会があったのだが、ここは……もうちょっとごちゃごちゃしていたような? というのはあった。のんびりとした観光だったので、あちこち行っておらず正直なところは分からないが、観光客の目からは、阪神大震災の跡というのはあまり分からない位になっていると思う。-----それが、震災から15年以上の年月の後だ。
 東日本大震災から各地が落ち着くまでどれ位かかるか自分には分からない。特に福島の原発のあたりは。

 人生には取り返しの付かないこともある。自分自身経験した。

 でも、何も出来ない訳でも無いと思っている。今、自分が生きているこの瞬間瞬間がそうだ。離婚し、転居し、2年。それまでの様々なことからくる、様々な想いをいまだ引きずってはいるものの、でも、生きている。有り難い事だと思う。生きていれば、喪失感を抱きながらも、新しい「何か」に出会い、驚いたり笑ったりすることもあるんじゃないかと。
 未だに大阪に慣れず、外出障害とも言える状態だけれども、それでもなんとかやってる。まあ、それでいいんじゃないかと思う。10年先のことも、明日のことも分からないが、兎に角、振り返って、まあなんとかやれたよねと思えたらいいと。

 人間から見れば、アリの一歩は小さい。だが、アリにとっては立派な一歩。そう思って、自分は今日も生きる