女性手帳という「女性向け」を意識しているようなイメージだから反発が出るのかなと思うんです。だから、成人の男性女性、異性愛同性愛ぜーんぶひっくるめて対象にした「おとなのからだBOOK」にすれば問題ないと思うんですよね。妊娠出産だけでなく、セーフセックス、同性愛に対する社会的認知の向上、成人病、こころの病気、食生活……大人の保健って感じでしょうか。
学校を卒業してしまうと、能動的に情報収集しなければ、健康問題とか学ぶ機会ってそうそう無いと思うんですよね。「家庭医学大百科」ほど詳細ではないものの、重要な所だけはおさえてあるテキスト本を配布すればいいんじゃないかなと思うわけです。運転免許の更新の時にビデオ見てテキストちょっと読んだりとか道交法改正の説明があったりしますが、それの「健康維持やこころ、身体の知識」という感じですね。会社の健康診断ならその時に、専業主婦の方や自営業の方は自治体の健康診断の時に、冊子を配布してビデオを見たり、保健婦さんとかが色々な説明をしたり。今だと風疹が問題になっていますから、風疹に関する知識などの説明ですね。
調剤薬局に行くと、非常に沢山のパンフレットを置いてあるところがあります。そういう場所だと、待っている間に気になるパンフレットを見たりもしますが、特に健康に問題がなかったり、病院嫌いな人だと、そういうパンフレットを見る機会は減るでしょうし、セーフセックスや妊娠出産問題となると、気恥ずかしさや、「妊娠出産? 男だから関係ないだろ」等あったりして、正しい知識を得にくいと思います。男性にだって、正しい妊娠出産の知識は持って欲しいと思いますね。また、妊娠しづらい事で悩んでいる方に向けて、こういう所で相談できますよ、とか、決して女性だけが問題ではないとかの話も盛り込んで欲しいですね。
本当、40過ぎて振り返ると、大人になってから役立つことを学校に居る間は軽んじてしまっているなと思うんですよ。保健体育とか、道徳とか、社会の仕組み(政治や倫理、歴史など)とか。人間って忘れっぽいものだし、尻に火がつかないと「これが本当にヤバイ事」だとわからないっていうのもありますし、少子化問題だけじゃなくて、国民の健康を維持し、心身ともに元気で過ごす事の重要性をそういう冊子と健康診断時などで定期的に啓発していくべきだと思いますね。
健康はお金じゃ買えません。そして、あなたが病院嫌いでも、病気はあなたにくっついてくるんです。心身に関する基礎知識があるだけでも、色々と違うのではと個人的に思ったりします。医療費が大変だと政府が考えるなら、政府が、国民が能動的に健康について学ぶ機会をもっと作るべきでしょう。妊娠出産に関する、男女ともに必要な知識などもそれに内包されると個人的に思います。そりゃあ、テーマを絞ってコンパクトな本に仕上げたいという気持ちはわからないでもないですが、健康な方が幸せだと思うんですよ。国民が幸せなほうがいいじゃないですか。ねぇ? そんな訳で、機会を捉えて、健康講座を受講することを企業や自治体に求めたいですね。