小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

1%、いや0.001%でもより良い明日への架け橋を造ろう

 かなり長い間、人力検索はてなで回答する余力がなかったのですが、最近気力があるときちょっと見たりしています。

 今日精神病に関するご質問を見て……でも、回答者条件には自分はあてはまらないようだったのでコメント欄に書きました。備忘録的にこちらに転記しておきます。ただ、質問のURLや質問内容は張りません。

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 50代で20代から精神科に通院している精神病患者&精神障害者のおばさんです。
 
 自分は「精神病患者という自分の側面も含めて自分自身が好きだし大事にしている」ので、コメント欄に書かせていただきますね。
 
 質問者さん自身が「精神病や精神障害者は社会から脱落した人間以下の存在である」と考えてらっしゃるのか気になります。
 身体の病気や障害なら問題にならず、こころの病気や障害なら他人から否定されても仕方ないのでしょうか。
 出自や人種による差別と同じように、病気の種類による差別は受け入れなければならないのでしょうか。
 
 違うと自分は思います。
 
 「宇宙の誕生」をWEB検索すると「宇宙のはじまりは138億年前」とでました。
 その138億年の中で、たったひとり、たったひとつの人生。 
 悲しく辛く苦しい事によって、心身ともに傷ついて精神病になったとしても、そんな長い時間の中でたったひとつの命。
 
 新幹線は時速320キロ出せるそうですが、自分は、自分の部屋を出てコンビニに行こうと「決定し行動しようと決意する」まで1日以上かかる事はしょっちゅうです。その後外出の為に着替えたり持ち物を揃えるのにも時間が掛かり一苦労します。
 それでも、自分は生きています。
 
 確かに、精神病や他の病気を抱えて一人暮らしをするのは大変辛く、悲しく、さびしく、50代になっても泣き虫です。
 それでも、自分は今日も生きています。
 
 そう。病気や障害を抱える人に伝えたいのは「原因は何かとウジウジ探しても、明日を迎える橋を造ることは出来ない」ということです。
 
 確かに自分自身「精神病の原因である腫瘍」があるならそれを切除して楽になりたいという気持ちに深く同意します。そりゃそうです。なんたって楽な人生ほど素敵なものはないからです。
 でも現実は違います。過去の出来事は変えられないし、悲しい過去によって傷だらけになったこころは今でも重く、辛く、悲しい。
 
 だけど、明日が、来週が、来月が、数ヶ月先が今日より1g、1%、一歩でもいいものであってほしい。
 
 そのため、自分は原因さがしを殆ど止めて、傷だらけのこころを抱えつつ、自分のペースで……同じ50代の人達に比べたら4割くらいの「赤点人生」だけど、自分にとっては「80点位の人生」を生きていこうと四苦八苦しています。
 暴れたり沼に沈んだりするこころを精神病の薬で抑えつつ、ヘルパーさんなどの福祉支援を受けたり、担当医と診察時間に話し合ったり、小説や伝記、歴史の本やネットの様々なコンテンツから「学び」ながら……
 
 繰り返しますが、自分の人生は138億年以降……200億年以上経っても再度繰り返されることはないのです。
 音楽や本のように何度も聞いたり読み直したり、体験し直せないのです。
 
 例え自分に危害を加えた存在を物理的精神的暴力で叩きのめし復讐したとしても、その存在が自分に与えた心身の傷が綺麗さっぱり、何事もなかったかのように消えて真っ白になることはないと自分は思うのです。
 
 だから、せめて。 
 こころの病気を抱える自分はどう生きていけばいいかと考える方へ舵を切って欲しいと深く思います。
 
 少しでもより良い明日への橋を造るためにどう考え、行動すればいいか専門家と相談する。
 問題や悩みがあれば専門家に相談し、悩みを一人で抱えて袋小路でパニックにならないようにする。
 福祉支援や福祉サービス等を上手に利用したりして日々を過ごしやすくするよう努める。
 他人、特に健常者と比べない。自分を卑下しない。否定しない。
  
 他にも沢山ありますが、精神科医とよくよく話し合いながら、質問者さんが「0.001%でもよりよい明日」への橋を造れるよう祈っています。
 
 生きていきましょう。
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 自分が精神病や精神障害を抱える原因は何か……確かに気になりますし、今飲んでる精神科の薬の内容を見て「ウツ病だけじゃあないよね?」と悩んだりしています。
 でもそれに固執することがなくなったのは森田療法の存在を知り、入門書や森田先生の「新版 自覚と悟りへの道 ASIN:B07D72PGZ3」や関係する本を読んだりした事や、10年お世話になっている今の精神科担当医とのお話の中で学んでいった事が大きいと思います。
 精神病患者でも……いや、どんな病気を抱えてても、どんな苦しい状況にある人でも、幸せで落ち着いた日々を望んで良いと自分は強く思います。
 でも一人で右往左往してても変化が訪れない事が多いとも思います。そのため、専門家に相談したり、福祉支援や福祉サービスの利用ができるか自治体福祉課の窓口で相談したり等々、辛いけど自分で「切っ掛け」を掴みにいかなきゃいけないと今まで何度もネットで書いてきました。
 ネット上には匿名相談ができる場所が色々ありますが、医療や福祉については、悩んでいる方のリアルに関わることですからリアルの医療や福祉相談窓口なり、病院などで相談して欲しいと深く思います。
 
 水前寺清子さんの「三百六十五歩のマーチ」にある「幸せは歩いてこない」。
 歳を重ねる毎にそうだよねえ、と深く思います。より良い明日になあれと祈り、そして、ほんのちょっとでもいいからその願いを叶えるために自分が出来ることがあればやろうよ、と。
 そしてその「ほんのちょっとしたこと」が出来た自分をめいっぱい、沢山、ぎゅぎゅぎゅーっとほめようね! と思います。
 自分で自分をほめるのはメッチャ恥ずかしかったのですが、何年か経つと、洗濯物干したあとに「えらいっ! 自分えらいっ! なので、アイスゲーーーーーーーット!」ってなことがナチュラルに出来ちゃったりしますので(笑)
 
 そんな感じで、明日も生きていきましょう。