小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

世事多事:出所後のケアについて

 大阪で先日起きた通り魔殺人事件について、大阪知事、通り魔に「死にたいなら自分で死ね」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)という記事が。自治体の長が言うコメントじゃないですね。普通なら「今回のことで亡くなられた方に深くお悔やみ申し上げるとともに、こういう事件が少しでもなくなるよう、出所後のケア等を国レベルでなんとかできないか関係機関と相談していきたい」というのが模範解答でしょうに。また、

「(容疑者が必要とするなら)相談窓口に来ればいいし、

 と知事が答えたとありますが、本当に苦しんでいる人はそんな簡単に相談窓口にホイホイいけないんですよ! それをわかってらっしゃらない。全く残念。本当に。
 この事件の容疑者は先日出所してきたばかり。前科は覚醒剤。身元引受人等はどうなっているのでしょう。所持金は20万だけれど、この厳しいご時世前科がある人を簡単に雇ってくれる所は難しいというのと、やはり、覚醒剤での逮捕歴というのがね。覚醒剤は止めた後もフラッシュバックがあったりすると聞きますし、刑務所に居た間にちゃんとした覚醒剤使用者向けのケアを受ける事ができていたか分かりません。
 性犯罪や薬物犯罪、窃盗等再犯率が高い前科を持つ人は、やはり出所後も何らかの公的ケアをしっかりするべきだと思うのです。罪は償ったけれども、でも、心にある暗部……薬物依存や盗癖などの部分は刑務所でケアしてもらえるのでしょうか? 自分は疑問に思います。ですから、出所後は刑務所よりもゆるやかな集団生活を送りつつ、心のケアを中心として、社会生活を少しでもうまく送れるような教育施設があればと。勿論、刑務所にいるよりももう少しハードで時間の長い仕事を(例えば農業等)をして、施設維持費の足しにするなどは必要でしょう。
 本来は身元引受人がいて、出所後衣食住の心配がなければ良いと思います。また、こころの問題が落ち着き、前科を知った上で雇ってくれるところがあれば。でも、今は厳しい時代ですし、こころの問題が解決されてなかったとしたら、自暴自棄になってしまうのもわからないでもありません。ウツを抱えた自分でさえ、時にちょっとしたことがきっかけで暴力衝動との厳しい戦いをしなくてはならなくなります。実際にモノを壊したり人を暴言を吐いたりなどの行動にうつさぬようきつくきつくこころの中にある暗部のフタをし、「地獄の門」のかんぬきを補強し、担当医等とよくよく話をしなければならないのです。
 自分は、全ての人々が善き人である世界は無理だと考えています。犯罪はこれからも起きるでしょうし、犠牲者も出るでしょう。こころに問題を持った人、障害を持って生まれてくる人、悲しい人、苦しい人、凶暴な人達もいなくなることはないでしょう。だけど、その状況を少しでも押さえる事は出来るかもと思うのです。そのために税金が使われる事に自分は反対しません。勿論、上記のように、施設に入所している人が自助努力をすべきというのはありますが。
 全ての人が満足する世界はありません。だけれど、小さじ少しでもより良い世界にしていこうという努力は捨ててはならないと深く思うのです。そして、政治家の方々等はその点についてもっと考えて欲しいと思うのです。