小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

テケトースープ

 そろそろ夜は寒くなってきたりして、さすがにコーンフレークとかの「コールドミート」ばかりっていうのも寂しいので、適当なレトルトをスープにアレンジして食べたりしています。スパゲティのスープだと、水を足してタマネギなどの定番はもとより、キャベツなどの野菜やシーチキンやマッシュルームの缶詰などを入れたりすれば結構簡単にボリュームのあるスープになりますし、玉子丼とか中華丼のレトルトだと、これまた水で薄めて、ネギや大根葉やわかめなどの乾燥野菜などをいれて仕上げに水溶き片栗粉をいれれば中華風のスープになりますし。ボリュームが少し足りないな、と思えば、スパゲティベースなら4分程度でゆであがるサラダ用や細いパスタを加えればOKですし、中華風なら春雨がオススメですね。
 テケトースープというものの、大陸に移れば侮れないモノがあり、そのことについて開高健先生は著作「最後の晩餐(文春文庫)amazon:4167127059」のなかでとある老師とお話された内容を綴ってらっしゃいます。老師が話されたことを簡単にお伝えしますと、内陸のほうのとある町に、100年〜200年ほど火を絶やすことなくぐっつぐつと煮込み続けられている大きな釜をしつらえた家(たぶんお店)があり、間断なく野菜やら肉やらを手当たり次第放り込んでいって、お客さんはそれをスープ椀に取り、お店の人はその人が食べた椀の数だけお代金を取るという話。大阪の老舗のおでん(関東煮)屋や、そのほかの著名なトンカツ屋さん、お蕎麦屋さんなは、ソースや出汁を、その材料をつぎ足し継ぎ足し作り続けることでより深みのあるなんともいえないものに仕上げるといいますが、この100年〜200年ほど火を絶やしたことがないスープというものは、その深みといったら筆舌に尽くしがたい・・・というか、想像を絶するというか、いったいどういうもんだろう、大陸ってやっぱちゃうわーなどと腕組みして考え込んでしまうわけです。でもきっと実際目にしたら「*!×※?¶」とかいうワケワカランものすぎて手を出そうかハゲシク悩むところでしょうが。
 そんなわけで、私は無難に冷蔵庫やレトルトのあり合わせのものでテケトーにすませてしまうというわけでございました。