小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

ヨーロッパでの朝食の思い出と余禄。

 19歳のとき、ご縁にめぐまれてオランダに40日間ほどホームステイと交流キャンプに行ってきました。最初の2週間はYMCAの施設を借りての交流キャンプ。そして次の2週間ずつは、1軒目はオランダの北部でドイツ国境に近い場所で、2軒目は逆にベルギーに近い小さな島が集まった場所でした。その後、2度ほど格安ツアーで母とともにヨーロッパを巡ったのですが、その3回の欧州行で感じたのは、日本との食生活の違いで、なおかつ、日本という国が食文化という意味でいかにバラエティに富み、選択肢があるかというすごさ? のようなものでした。
 まずはオランダでのお話。朝食は基本的に、飲み物はコーヒーや紅茶、ジュースやミルク。ここら辺は普通ですね。ただ、パンは焼かず、その上にスライスしてある様々な種類のハムと、ゴーダやエダムなどのチーズの塊をチーズスライスナイフでこすりとって乗せて食べました。マヨネーズとかはつけなくて、でもつけなくてもパンとハムとチーズがとっても美味しいから全然気にならず、むしろシンプルイズベストですごくお気に入りでした。また、それほど甘くないチョコスプレーみたいなものをふりかけたりして食べることもありましたね。今から15年以上前の話で、まだその頃は私の故郷ではそういう本場のチーズを塊で売っているのを見たこともなく、チーズを切るのは波形のハリガネみたいなのがついているチーズ切りしか見たことがありませんでした。チーズスライスナイフについては実際の画像を見ていただくと分かると思います。「楽天市場:INTRECS Store:WMF プロフィプラス チーズナイフ 」
 とにかく何でもかんでも見るもの聞くもの触るものが新鮮で、そういうものに触れるたびにびっくりして目を回したりする私をみて、ステイ先の御家族の方やキャンプに参加している10カ国以上の同年代の人たちはお腹を抱えて大笑い。特に、キャンプ中に初めて挨拶的にほっぺにチュ★ とされた時のことは・・・。私が「うぎゃああああ!」と飛び上がって驚いたもんだから、みんな大爆笑。それ以来私に「ほっぺチュ」をしては私が驚くのを見て皆で(勿論、私も含めて!)大笑いしたりしてました。しかもチュ★ してくれるのがみんな美人なんだもん。てれてれ。
 話がそれちゃいましたね。朝食や昼食はどちらかといえば「コールドミート」で、外食以外は温かい食事というものはありませんでした。夕食もどちらかといえばシンプル。日本での主食のお米のノリで毎日ジャガイモやそら豆などの豆類、小さなニンジンなどと一緒にチキンやソーセージ、豚肉が出、必ずデザートに果物やヨーグルトが出てきました。ソーセージを炒めたり、チキンソテーなどを作った後のフライパンにバターなどを少し足したものをグレイヴィーソース? としてそれらにかけ、ジャガイモをつぶしてそれらに混ぜて食べたりしました。そら豆は、今の日本でいうところのからしマヨネーズをかけるととっても美味しかったです。でも、トマトやレタスなどの、日本では良くお目にかかる野菜は殆ど出てきませんでした。スーパーにいってもそういうものは殆ど見かけず、オレンジなどを含めて南の方の野菜や果物というのはここでは贅沢品なのかなぁと思いました。また、1軒目の家では食事の量も少なくて、その家のある小さな町の中心部までバスで一人で出かけたりしたときにこそーりオヤツなどを買いだめして(当時はまだ結構食事量が多かったですから)夜中の空腹をごまかしていたりしていました。また、チコリもオランダでその時初めて食べました。「なんぢゃこのめちゃ苦い白菜の芯みたいなのわあああぁあ!」と思いましたが、ソテーなどの脂っこいものを食べた後だと、セロリを食べるのと同じように口の中がしまる感じがしてすぐに慣れました。ただ、ブルーベリーなどは元々イチゴが好きじゃないこともあって、最後まで食べることができませんでしたね。今でもベリー類はだめです。
 さて、さすがにツアーで行くと食事は違います。そりゃそうですよね。旅行ですもん。で、朝は大抵バイキングスタイルで、いわゆるコンチネンタルと呼ばれる、小さなバスケットにはいったパンや果物を部屋に持ってきてくれたりというのは殆どありませんでした。バイキングのとき、まず私が目指すのはシリアルが色々と入っているボール。普通のシリアルにブラン、フルーツグラノーラ。その上に牛乳とヨーグルト。それに新鮮なグレープフルーツジュース。特にブランやグラノーラは日本ではその時まだ気軽に手に入る状態じゃなかったので(今ではカルビーが扱ってますネ。 愛用してます)、この機会にガッツリ! てな具合に食べまくってました。というのも、昼食や夕食はどうしてもカロリーの高いものが多かったですし、しかも歩いたりすることが殆どない上にワインを飲みまくっていましたから、お通じの具合が(笑) ですからブランなどを朝に食べないとなぁと感じたわけです。それでも帰国すると3キロほど太っていたりするんですが(笑)。
 今では素敵なパン屋さんも増えてきて、本場もののチーズもスーパーで売ってったりしますけれども、でもあの味わい深いハムやソーセージはなかなか出会う機会がないですし、なんといってもやはり、「あの場所」で「あのみんな」とシンプルな朝食を分かち合った時間が素晴らしかったのですから。そして、今はもう亡くなってしまった母との楽しい思い出でもあります。
 今は地獄の炎、太陽のフレアのような家計で、貯金すらも出来ない状態ですから、再びヨーロッパの地を踏むことは無理かもしれません。しかし、いつかあのときの母と同じくらいの歳まで生きながらえることが出来、旦那と二人でのんびりユーレイルパスを使って回れる位のお金ができたら行きたいと思いますね。そして、母と二人で感動した、ユングフラウヨッホの展望台で、天に一番近い青空を旦那にも見て欲しいと思っています。
 ってことで、がんばってがっちりお金稼いで頂戴ね。うははっ。