小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

世事多事:命を守る任務。そして自衛ということ。

 週明けに「集団的自衛権」について論議が再開される云々という記事を軽く読んだ。他にも2chのニュー速+で関連記事などを読んだりしたのだけれども、なんでこう自衛することや備えることがナショナリズムに直結するなんていう考えがでちゃうんだろうなと、個人的には首を傾げざるをえない。また、依然PKO活動にまで反対する人々がいることにも残念な気持どころか、やや怒りに近い感情を持っている。
 以前も国防・自衛について書いた。が、再度思う。自衛隊の皆さんには訓練とともに戦場における実務スキルを上げることができる場への参加、つまりPKO活動を頑張って頂きたいと思っている。それは日本国の万が一に備えるということもある。
 だがそれ以上に重要なのは、「戦闘地域で脅威にさらされている一般市民の命を救う」ためのPKO活動(具体的にはPKF活動となる)の重要性だと私は思っているからだ。戦場は無秩序だ。特に一般市民の命の保証などない。それはアフリカ等、内戦の映像や画像を見ればひしひしと伝わってくる。胸が苦しいほどに。そんな事が各地で起きている。
 インフラは破壊され、銃撃で死ななくても伝染病や栄養不足で死んでいく。追い出された勢力が再占領のためにいつ反撃してくるか分からない。そういう戦場で、少しでも現地の人々に「生活」という感覚を戻す手伝いをする支援活動が、どうして他国への侵略だ、日本国の軍国化だと言えるのか。命を守る活動なのに。金だけでは済まない国際問題だってあるのではないか。人材の支援は金銭のみの支援よりもはるかに大事であり、国際的な「平和」に繋がるのではないのだろうか?
 戦闘状態にある地域でのインフラ再建や医療活動、食品等生活物資の配給は、支援する側に大変な危険が伴う。なぜなら先述したように、戦闘地域の奪取を望む勢力がそういう活動を「兵器をもって」妨害しようとするからだ。銃を持てない団体が命がけでそういう活動をしている所もあるが、実際の支援活動やそういう団体を守るのがPKO活動だと私は思う。
 憲法9条には「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」とある。私は国際平和を心から望んでいる。そして、紛争地域で命の危険にさらされている一般市民はこの世界に沢山居る。日本国だけが安泰でいいというのはこの地球に住んでいる一人の人間として悲しいことではないか。私はこうやってネットの片隅で意見することしかできないが、PKO活動は「国際平和を誠実に希求する」ことに何ら反しないと私は思い、信じている。

 さらに。現在「一応」他国からの兵器による脅威で海域を除く国土を侵されていない日本国ではあるが、いつ国土に土足で踏み込んでくる輩がでてくるとは言い切れない。外交等による政治的予測はある程度できるだろうが、内向的な国は何を考えているか分からない所もあるだろう。また、国という単位ではなく、何らかの団体組織等が、かつて地下鉄サリン事件のようなテロ行為を行うことがもうないと言い切れないのではないか。
 今、実際の戦争・戦闘状態で何が恐ろしいといえば、核などの広い範囲をぶっ潰す兵器ではなく、都市部へのバイオテロや海岸沿いにある原発などへの局地的兵力投入などの「ツボを押さえる形の戦争」だと個人的に思っている。私の中では、海や空での戦闘よりも市街戦が一番「戦争になったら起こりうるだろう」リストの上位にある。そういう場合、大規模な兵力の移動は必要ではなく、幾つかの小さな部隊を海岸線の幾つかの場所にそっと上陸させてしまえば終わりではないだろうか。かつて拉致が行われたときのように。ミサイルならAMMで打ち落としてしまえばいい。だが、そういう小さいが脅威をもった兵力の移動が行われたとき、迅速な対応ができなかったら本当に大変なことになる。そういう考えがぬるい政治家の脳みそにはないのだろうか。そして、地下鉄サリン事件での恐怖から学んだ事はないのだろうか。あのような事が同時多発的に各都市で起きたら、と考えただけで私は恐怖でおののく。
 そういうときのために十分な実力を持った兵士達が迅速な行動を起こすことができる下地作りは非常に重要と考える。

 兵器を持った脅威から命を守るために兵士は居るのではないか。自衛のために、そして、国境を越えた向こうで、命の危険にさらされている一般市民の明日を守るために。

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 とりあえず思う事を書いたが、憲法9条の「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」の部分と、PKO活動における武器の携帯について矛盾はないかどうかについての個人的な意見についてはまた後日。
 また、PKO活動等については「ウィキペディア:国際連合平和維持活動」を。