小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

世事多事:何をするにも金がいる

 脱原発を叫ぶ人に聞いてみたいのだけれど、東日本大震災の後、復興の為の資金繰りで頭を悩ませている人が多いというのに、発電所をまっさらな所から造れというのはちょっとファンタジーじゃないかなと個人的に思うんですよね。叫ぶだけでお金が天から落ちてくるわけじゃないですし。まあ、あらたな発電所もセットで復興だと思う人もいるだろうけれども。
 ドイツを例に出す人は多いけれど、あそこはフランス等から電気を輸入できるからやっていけるのではと思うんですよ(参照:「ドイツ、原発停止措置によって電力の純輸入国に=独業界団体 | ワールド | Reuters 」)。そりゃ、将来的にドイツが次世代発電インフラを整え、将来的には自国でまかなえるようにという風に考えているかもしれませんが。とはいえ、それが出来るのも、隣国からの輸入というのがあってこそ。日本は島国ゆえそうはいかないのでは。ケーブル一本引けばいい、と言った人がいるとかいないとか。そんな馬鹿な。高圧線で山越えするならともかく、海底地下ケーブル…… 素人なんで、技術的裏打ちがあるのなら「はぁそうですか」としか言いようがないのですが、それだけのことがサクッとできるのだろうかと。どうしても疑問に思うのです。
 それに、脱原発といっても、今稼働や休止している原発を、古くなった物を捨てるように、そう、まるでTシャツを脱ぐような感じでポイッとかできる訳ないですよね。どこの原発であっても閉炉作業をやらないといけない。だけれど、閉炉作業につけるだけの技術者の確保はどうなのか? 費用は? そして、事故を起こした福島の原発の密封はしっかりできるのか?という問題。
 叫ぶだけなら誰でも出来る。だが、問題解決に必要な金、資材、人材、土地等それらについて具体的な数字やプランを出した上で脱原発と言うべきではないだろうか、と思います。
 放射能はばっちぃからいりません、自分が暮らしている所じゃない余所へ、遠くへやってしまいなさい、とだけしか言えないのなら、まるで子供が「え〜んがちょ」って言っているのとそう変わらないのではないだろうかと思うのです。
 自分は確かに子供も居なく、原水爆実験花盛りの頃に子供時代を過ごし、わけわかんない添加物の入った食品なども食べていましたから、こういう現状でも冷ややかに状況を見てしまうのかもしれませんが。だけれども、子供がいるからこそ、放射能えんがちょ! と叫ばず、放射能に関する知識を十分に身につけ、何が正解なのか学び、周囲に流されず、自分で判断する事が重要だと思うのです。