小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

世事多事:会社の子

 収入が低いため、子育てしたくても出来ない、結婚すらできない人が少なくないという現代の日本。
 労働をしている場合、お金の流れというのは「会社→社員→社会(生活費や公共費、教育費等)」だろう。で、所得が厳しく結婚しても子育てができないという状況は「会社→社員→教育費」のお金の流れが厳しいということではないだろうか。だが、会社というのは有る程度の規模であれば金銭的には鉄板じゃないかなと思っている。ならばいっそのこと、夫婦単位ではなく会社が子育てしてしまえばいいのではないだろうか。
 SFとかラノベな話で散々出ているネタだが書いてみよう。企業連合等が直々に産婦人科と保育園と学校等を持ち、生まれた子供は「会社の子」となる。子供を産んだ夫婦やカップルに費用負担等はないが、教育方針は会社が全て握っていおりカップル等に介入権限はない。つまり、その企業連合の特定の業務に就けるように乳児期より教育から心理までの細かいカリキュラムが組まれており、子供も基本的には家庭に住む事無く、寮で共同生活を送る。将来「我が社の人材」になるからこそ、会社は子供を育てる訳だ。
 現代の医学では人工子宮等はないから、妊娠と出産だけは女性の身体を借りなければならないが、子供が生まれたならば、あとは「会社の子」として育てるのに技術的な問題はないと思う。まあ、ぶっちゃけ、人の形はしているが、企業の為に生まれた「ロボットではない有機生命体」だろう。
 なんでこんな事を書いたかと言えば、少子化が進めば、将来働く人が少なくなるということは明白だろう。幾らロボット技術が向上してきたといえども、人じゃないと出来ない仕事はまだまだあると思う。20年後、それなりの知識や常識、体力等を備えた「働く人」がどれ位居るだろうかと思うとネガティブな考えしか浮かばない。収入が厳しくて結婚できず、子育てできない状況は個人や夫婦単位では打破できないと思う。だから、国や社会が直々に子育てしないとならない所まで行っているのではないかと感じるのだ。
 上記のネタは過激だが、ローティーン世代から、将来社会人としてやっていける人材を育成する事業を国や企業……特にホールディングスとかいう名前をつけてギチギチに固まっている所がどんどん金をつぎ込んでやっていかないと、本当にこの国から「人材」は居なくなると思う。