小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

世事多事:その国ごとにあるルールの社会的背景を知る重要性

 「顔に入れ墨で入浴拒否のマオリ女性「異なる伝統思いやって(産経新聞)」についてですが。
 他のブログで記事にもなってますが、日本で彼女を受け入れたツアーなり、ホームステイなりの関係者が「日本ではこういう事情があるんですが、分かって頂けますか」と説明すべきだったんじゃないかなと。例えば、個室の掛け流しのお風呂とか、貸し切り出来る露天風呂がありますよね。そういうのを利用できるか交渉すべきだったのではと思います。

「入れ墨 5.1.2 法的・社会的規制:ウィキペディア」より

入れ墨に対する法的規制は、敗戦後の1948年(昭和23年)の新軽犯罪法の公布とともに解かれたため、現在の日本では入れ墨そのものに対する法的規制は存在しない。ただし、入れ墨に対する間接的な法的規制として、次のようなものがある。
(中略)
入れ墨を入れた者は、暴力団構成員と認識され、公衆浴場(温泉、大浴場、サウナ、銭湯、スーパー銭湯健康ランドなど)や遊園地、プール、海水浴、ジム、ゴルフ場などへの入場を断られることがある。これは日本では暴力団員が入れ墨を威勢を示す手段として用いてきたことによる。
司法当局は入れ墨の有無を当人の社会的スタンスを示す明確な指標として認識しており、逮捕された者は留置施設において入れ墨の有無確認とその写真を撮影される。
警察・検察での取調べや公判に際しては、入れ墨の存在が担当官の心証に反社会的性向の象徴として捉えられるため、結果として量刑に影響を与えることが多かった。
入れ墨は江戸時代以降は刑罰の一種であり、現在でも暴力団関係者の象徴として用いられることがある。

 上記にある話を日本へ来る海外の方にアピールする必要性が大きいと思うんですよね。
 ファッションで洋彫りしていてもだめなの? とか尋ねる海外の方もいると思います。日本人で洋彫りしてる方だって同じ意見の人が居ると思いますが。でも、暴力団の動きを封じるためにどうしても理解してもらわなければならないことの一つなのだと思うんですよね……ちょっとでも穴があると、その穴から水は漏れて……いつしか穴が大きくなったり、流出する水の量が増えていくんです。だから小さな穴でもしっかりとふさがないといけない。法の穴をつかれないようにしなければならないんです。ファッションや、「日本の伝統として愛しているから」という気持ちで彫りを入れている方には辛い現実だと思うんですが、社会って、こういうものなのだと分かって頂くしかないと個人的に思っています。
 ちなみに、ウィキペディアの「入れ墨」の日本語版では、「法的・社会的規制」の項目でこれらのことについて説明がありますが、英語版の「Tatoo」では、殆ど触れられていません。大阪市職員のタトゥー規制について軽く触れてある程度ですね。補完があればと思います。
 中東地区へ旅行へ行く日本人女性の服装について注意があるのを聞いたり見たりしたことがある方はいるかと思います。それと同じように、「日本を訪れる時に注意しなければならない項目」を分かって欲しいなぁと。
 東京オリンピックが決定しましたけど、おもてなしだけでなく「日本に来たら守って欲しいこと、大切にして欲しいこと」もしっかりアピールするべきだと思います。勿論、何故それを守らねばならないのか、理由をきちんと説明することも大事ですね。理由や社会的背景を説明したら、多くの方は理解して下さるのではと自分は思うのです。……思いたいですね。