小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

(新規購入編):何かが、ひっかかってる。

 NTを買いに行ったら偶然「Amazon:純潔のマリア (3) (アフタヌーン)」が出ているのを見つけてビックリ。続きはいつだろうかと思いつつ、チェックしてなかったので即購入。……しかし、読み終わると何かこう「もやっ」というか、ひっかかるものが。
 ビブに救われる所まではいいんですよね。でも、ビブがお節介すぎるというか。もうちょっと彼女はドライな女性だと思っていました。廃村の廃屋とかにとりあえず隠して、軽い手当だけやったら「ちゃんと元気になりなさいよ。その後でまた楽しいことしましょうよ」と去って行ってしまう展開なら理解できたかな。そして、時間が掛かっても自分と白ふくろう達だけで傷を治し、マリア自身が再び空に飛んでミカエルと対峙して欲しかったなと思います。まあ「女の喜び」を知らぬ処女のマリアが、ミカエルと「人の世の愛(エロース)」について言葉で戦うことは難しいというのは分からないでもないんですが…… それと、どうしても一度マリアを魔女裁判という状況に陥らせたかったというのがあるのでしょう。天使に撃ち落とされ、その上でなお、人に突き落とされる。それが必要だったのかなとね。
 けど、あまりにも物語を早く進めすぎた感があります。あと5話分位あってもよかったなーと。けどそうすると単行本にするときに困るから、ムリヤリ押しちゃったって感じを抱きました。
 石川氏の描き込みは本当に凄いと思っています。2巻の150p付近の両軍対峙とか本当に凄い。自分はファンタジーものが好きなので新紀元社の資料本を持ってるんですが、あの会社の本以上の資料にがっつりあたってるって感じます。ハリウッドのテキトーなファンタジーものの映画なんかビビっちゃう位にね。だからこそ、ストーリーの部分の練り上げをじっくりやって欲しかったなぁと思いますし、「魔女が天使にガチンコ勝負ふっかける。例え血まみれになって撃ち落とされようとも」という部分を太い軸にしてあげて欲しかったと個人的に感じます。根性展開までいっちゃうとやり過ぎになるんでそこら辺のさじ加減が難しいといえば難しいかも。
 けどまあ、楽しかったです。「もやしもん」での「チーム長谷川」や「黒と白」とかの服の書き込み同様、魔女達の服も凄かったですからね。中世の兵装資料は輸入書籍のお店とかで入手可能だったり、新紀元社の本とかありますけど……ゴスやレザー系服の資料はどこで入手してるんだろうというのが非常に気になります。やっぱり輸入書籍とか海外のフェチ系サイトでヒントを得てるのかなぁ?
 ナガノセンセのインタビューとかはそれなりにトイズや角川の本で読んできたので、ああ、こういう所から資料取ってきてるのかなーって分かるんですが、石川氏のインタビュー記事などは読んだことが無くて。ま、いつか単行本の後書きとかで参考資料ネタバラシして欲しいなと思います。