小料理屋さつき

かつて「はてなダイアリー」にあった「小料理屋さつき」をインポートしたもの+細々と。

WEBつれづれ

 何かとお騒がせな人、というのはどの業界、どのコミュニティにもいるのですが、マイケル・ムーア監督は今丁度話題に乗っている「お騒がせな人」の一人かもしれません。そんな監督がらみの話でこんなことが。「Sankei Web:華氏911「題名盗んだ」 ブラッドベリ氏非難」 ブラッドベリ氏については、私は不勉強というか、あまりにも読まねばならないと思う作品が多すぎて読んでいない・・・っていうかサボってごめんなさいリストの中に入っているSF作家の方のひとりなのですが、氏が映画のある程度のあらすじや脚本なりを入手してこのコメントを発表したのか、それとも新聞や雑誌の記事だけを読んでコメントしたのか・・・よくわからないのがちょっと気になります。ただ、例えそういう過程を踏んでなかったとしても、ちょっとどころでなく顔をしかめたくなる気持ちは分からないでもないですね。
 まぁ、お二人のお住まいの場所が離れているために、電話でブラッドベリ氏にお話して理解をもらいたいとムーア監督が言っていますし。ある程度のお小言はあるでしょうが、それ以上のお小言っつーか批判というか野次というか罵倒というかなんつーか様々なものを頭の上からぶっかけられながら作品を撮ってきたムーア監督ですし、早々ヘコたれたりはしないでしょう。でもやっぱり、事前に了承を得ておくのがベターだったかもネとは思いますけれど。
 しかしふと頭の中のヘッポコメモリーをスキャンしてみると、小説自体のタイトルや中の章のタイトルに曲のタイトルを使ったり、本文前の引用文として色々なところからもってきたりということは少なくないと思うのです。私の大好きな作家の一人で、早くして病に苦しまれつつ亡くなられた、ジョージ・A・エフィンジャーの作品「重力が衰えるとき」もボブ・ディランの曲のタイトルから来ているはずでしたし。というか・・・最近ベストセラーになった「世界の中心で、愛をさけぶ」というタイトルをみたとき、「あちゃー!」と思いましたね。エヴァンゲリオンのTV最終話のタイトルでより多くの人の目にとまった、ハーラン・エリスン 作のSF、「世界の中心で愛を叫んだけもの ASIN:4150103305」を連想しちゃいましたからね。Amazonのこちらの作品のコメント欄にも「世界の中心で、愛をさけぶ」についてふれらっしゃる方が。
 エフィンジャー氏は「ブーダイーン3部作」の最後の1冊、「電脳砂漠(The Exile Kiss) ASIN:4150109923」では、タイトルをシェイクスピアの作品から取っており、私の記憶が確かであれば、「シェイクスピアなら、タイトルへ引用しても文句が来ないだろうしネ」という話がどこかに掲載されていたと思うのですが。
 嗚呼ァ、それにしても・・・・エフィンジャー氏の死去には未だに落涙を禁じえません。デューンとこの作品で私は砂の世界に住む方々の生き方のようなものを小指の爪の先ほどではありますが、知ることができましたから。彼の方の魂に安らぎを。朝の一杯目のコーヒーと紅茶の香りをささげつつ。